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IT活用のポイント(2) |
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IT教材を一つの道具として授業に使えるか
二人の先生の考えに共通するのは、IT教材にこだわらず、いかに生徒の気づきを拾い上げるかという点だ。
こうした考え方の背景には、IT教材を特別視することなく、「授業」を大切にしていく小牧中学校の姿勢がある。いちばん大事なことを生徒が言うのが「授業」で、いちばん大事なことを先生が言うのが「講義」。これが玉置先生の考え方だ。小牧中学校では玉置先生の考えるような「授業」を実践していこうとしている。
では、よい「授業」を行うために必要な授業力とはどのようなものなのだろう。玉置先生は次のように説明する。
「授業の善し悪しを測るモノサシは、生徒から何を引き出せるかということです。答えを引き出してOKとするのか、考え方までを引き出すのか。しっかりした授業力があれば、チョーク1本でもコンピュータでもいい授業が可能です。そういう意味で、コンピュータはいい授業を実現するための一つの道具でしかありません」
コンピュータは特別なものではない、授業にうまく使えそうなら使おう、それが小牧中の柔軟なスタンスだ。
「例えば、資料集の代わりにコンピュータを使っている先生もいます。生徒一人ひとりに使わせなくても、普通の資料集を使う場合とプロジェクターで前方のスクリーンで示す場合とでは、生徒の反応は確実に違いますよ。資料集だと生徒たちは下を向いているでしょ。でもプロジェクターで示すと、生徒一人ひとりの表情も把握できるわけです。そのことはいい授業につながる条件になりますよ。だから、特別にコンピュータですごいことをしようと思わなくても、『黒板を使うよりキレイでしっかり見せられる』というだけの理由で使ってみればいいと思いますよ」(神戸先生) |
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