ベネッセ教育総合研究所
特集 変わる高校入試に中学校はどう向き合うか
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調査レポート
(2)2004年度高校入試問題分析
 入試問題の傾向が、「思考力」「表現力」重視に変化してきていることを調査レポートの(1)で確認した。それらの力が具体的にどのような問題のなかで問われているのか、実際に入試問題から探っていく。全国の高校入試問題の傾向を分析している金子武司が、引き続き語った。
思考力・表現力が問われる出題が増加
 県によってバラツキはあるものの、高校入試で思考力や表現力を問う問題が増加傾向にあることは事実です。そこで教科・科目別に、新しいタイプの入試問題がどんなものであるかを見ていくことにしましょう。

英語

 まず英語ですが、実際に英語を使用する場面に遭遇したときに、適切にコミュニケーションすることができるかどうかを測る問題が増えてきているのが特徴です。その典型的な例が、宮城県の入試問題です(図1)。
図表
 これは、旅行で日本にやって来た女性に、銀行までの道を英語で説明するという英作文の問題です。この問題では、地図を参考にしながら銀行までの道順を自分で考え、適切な英文を作らなくてはいけません。
 ほかにも、電子メールへの返信を書かせる問題や、会話文の一部を前後の文脈から考えて作文するものなど、与えられた日本文を英文にするという単純な和文英訳ではなく、判断力やコミュニケーション力を踏まえた英語力が問われているのが一つの特徴です。
 また、英文の読解問題でも、単に英文を読み取るだけでなく、英文とグラフを関連させて読解するなど、英語の活用の側面を重視した出題も増えています。


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