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▲野原薫校長
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REPORT2 |
岐阜県立大垣北高等学校
特色化選抜で入学した生徒が学校を活性化する |
集団討論を実施することで、自分の考えを表明できる力を測る |
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大垣北高等学校は、岐阜県内でも有数の普通科進学校。だが単に学力面で優れた生徒だけを育てようとしているわけではない。野原薫校長は、「精神的にもろい子どもが増えているなかで、社会に出てもたくましく生きていける人材を育成したい。そのために部活動など、生徒がお互いにぶつかり合いながら伸びていく環境づくりを大切にしている」と語る。
こうした学校の思いは、特色化選抜での生徒募集にあたって示される「求める生徒像」(表1)からもうかがえる。「生徒会活動、地域活動、ボランティア活動などにおいて著しいリーダーシップを発揮した者」というように、高校生活で核となって活動できる生徒を求めているからだ。 |
▲表1 岐阜県教育委員会編の『公立高校をめざす皆さんへ』に 掲載されている大垣北高等学校の「求める生徒像」
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岐阜県の普通科では、全定員の10~20%の範囲内で特色化選抜の定員数を定めることができるが、同校では定員数を上限の20%に設定している。
「特色化選抜で入学してくる生徒は、私たちのねらい通り、部活動や生徒会活動など、何事に対しても積極的で、ほかの生徒に与える影響も大きいですね。高校に入学するまではあまり活動的でなかった生徒も、彼らから刺激を受けるうちに能動的になっていき、学校全体の活性化につながっていると思います」(野原校長)
同校では「求める生徒像」として、「論理的思考力、表現力、問題解決能力を身に付けようとしている者」や「自分なりの明確な考えをもち、集団の中でそれを表明し、かつ他者の意見を尊重することができる者」も掲げている。
「生徒の論理的思考力や問題解決力を見るために、特色化選抜で課している学校独自問題は、一般選抜の問題と比べて、論理的に考える力や記述する力を重視する内容となっています。また明確な考えを集団の中で表明できる力は、面接試験で集団討論を実施することで測っています」(野原校長)
つまり同校は、従来の知識中心の“受験学力”とは異なる学力を持っている生徒を求めており、その力を測る入試を特色化選抜で実施しているわけだ。
中学校がこうした入試に対応できる生徒を育てるには、授業を中心とした学習指導の質の向上に、より力を入れる必要がありそうだ。 |
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