|
▲小林哲雄校長
|
|
|
|
REPORT3 |
静岡県立浜松南高等学校
入試を理解してもらうため、中学校との連携を重視 |
受け身から自立へ、主体的な生徒を求めている |
|
静岡県では03年度入試より、前期選抜と後期選抜という名称で、高校入試の受験機会を複数化している。浜松南高等学校でも、普通科は全定員の約20%、理数科は約40%を前期選抜の定員に割いている(04年度まで。05年度の理数科は約50%)。同校が前期選抜で打ち出している「求める生徒像」は、表2のようなものだ。 |
▲表2 浜松南高校の「求める生徒像」(05年度入学者対象)
|
「前期選抜の区分Iでは、学習面においてリーダーとなれるような生徒が、本校を目指して受験してくれます。また区分IIでは、学習と部活動等の両面で頑張りたいという意欲を持った生徒が受験しており、部活動で東海大会に出場するなどの活躍をしている生徒も出ています(注)」(小林哲雄校長)
注 静岡県の前期選抜では、各高等学校が1つの学科のなかで「求める生徒像」ごとに入学定員を分割して募集することが可能になっている。
小林校長によると、浜松南高生には「能力は高いが受け身の傾向もみられる」そうだ。そこで同校では「受け身から自立へ」をスローガンに掲げ、生徒主体の学校行事やキャリア教育の充実を図っているが、前期選抜での入学者はそれらの活動の核となることが期待される。
だが、こうした欲しい生徒をきちんと確保するには、「自分たちがどんな学校になることを目指し、どんな生徒を求めているか、中学校の先生や生徒、保護者の方にきちんと説明することが必要」と小林校長は語る。同校は、PR活動に対して前向きだ。教頭や主任クラスの先生が、学区内のほとんどの中学校へ説明に回っている。配布するパンフレットも、保護者向け、生徒向け、教員向けと、きめ細かく作成。さらに学校案内のDVDも制作している。
「本校のことを中学校に伝えるのと同時に、私たち高校側も中学校の現状をよく理解することも大切です。そこで、近隣の中学校と定期的に研修・交流の場を設け、授業参観をしたり入試に関する要望や、中高の絶対評価など、教育全般について情報交換をしています」
高校入試の内容を、高校にとっても中学校にとっても納得のいくものにするには、双方の情報交換が欠かせない。浜松南高校が着手している中高連携は、今後ますます重要性を増すはずだ。 |
|