ベネッセ教育総合研究所
特集 学びに向かう集団づくり
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生徒理解を通じて人間関係が強固になった
 未成熟の集団を安定した集団へと引き上げていくもう一つのアプローチ法は、生徒が学校やクラスに対して帰属感を持ち、「自分は周囲から認められている」、そして「周りの生徒を認めていくことができる」という関係性を構築していくことだ。この帰属感、自己肯定感、他者理解の三つを生徒が持てるようになれば、「一人ひとりがばらばらでいるよりも、集団としてまとまっていた方が学校生活は楽しくなる」というように、生徒は学習集団の形成に対して積極的な意義を感じるようになるはずだ。
  その方法の一つとして、生徒理解から集団づくりにつながる取り組みを行っているのは、多久市立中央中学校(佐賀県)だ(今号9ページより掲載)。同校は「テトラS」という手法を用いて、生徒の実態を教師集団が共有化し、生徒との人間関係づくりを行っていった。
  「認め合う」雰囲気を醸成したことで、生徒同士の人間関係づくりもできるようになり、学習のなかでも集団的な効用を生かした指導ができるようになった。学習に向かう態度も望ましいものになってきている。


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