ベネッセ教育総合研究所
特集 学びに向かう集団づくり
中央中学校データ
 佐賀県多久市は、県のほぼ中央に位置し、人口は約2万4千人。中央中学校には、南部の南多久町と北部の北多久町から生徒が通っている。南多久町は果樹栽培を中心とした農村地帯、北多久町は商工業地区と農村地帯から構成されている。中央中学校では、国語科、社会科などの教科でNIE(新聞を活用した教育活動)に力を注ぐ。トイレや花壇等の美化活動にも積極的に取り組んでいる。
〒846 - 0024
佐賀県多久市南多久町下多久2286-13
TEL 0952-74-3971
FAX 0952-74-3972
URL http://www3.saga-ed.jp/school/edq10852/
校長/中川正博先生
生徒数/414人、
学級数/14学級
中川正博
▲中川正博校長
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実践事例(1) 佐賀県多久市立中央中学校
授業を通して人間関係を強化し、
集団をつくる力を養う
中央中学校では数年前まで、生徒同士のつながりだけではなく、教師と生徒との信頼関係、教師同士の連携も弱いことから、校内に問題が出ていた。
そこで中央中学校がまず着手したのが、教師間の人間関係づくり。そこから教師と生徒の関係づくり、
さらには生徒同士の集団づくりに至る過程を追っていく。


同じ校舎にいても一人ひとりが孤立していた
 「子どもたちの結びつきが、とても弱いものになっている」
  中川正博校長は2002年度に中央中学校に赴任した当時、生徒の姿を見てそんなふうに感じたという。校内ではちょっとしたきっかけで生徒同士がケンカになるといった光景が、日常的に見られた。ケンカを通してお互いの人間関係が深まればいいのだが、自分の感情を相手にぶつけるだけの不毛なトラブルが多かった。
  だが、結びつきが弱いのは、生徒同士の関係だけではなかった。中川校長によると、「教師と生徒、そして教師同士の関係も強いものとはいえなかった」という。同じ校舎にいても、一人ひとりが孤立しているといったようすだった。
  「当時の生徒たちの顔つきは“目が尖っている”という感じでした。生徒の目が尖っているから、彼らと接する教師の姿勢も、つい刺々しいものになってしまう。また学校が落ち着かないときには、教師に集団としてのまとまりが求められるのに、教師間の動きもばらばらでした。各教師が自らの『経験と勘と気分』で、個別に生徒を指導している状態だったのです」(中川校長)


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