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新潟大工学部教授
西村伸也
Nishimura Shinya
1954年生まれ。専門分野は、建築計画・都市計画、建築史・意匠。オープンスクール、エコスクール、教科教室型など学校建築の多様な空間計画に関する研究に取り組む。
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教科センター方式における生徒の行動の特徴
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教科センター方式が学びに向かう集団づくりにどう有効なのかを、現在の聖籠中学校の設計に携わった新潟大工学部の西村伸也教授の研究から紹介する。 |
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特別教科のみ、特別教室を使用する従来のスタイル(以下、特別教室型)に比べ、聖籠中学校のような教科センター方式(以下、教科センター型)を採用する学校では、生徒の行動パターンにどのような特徴があるのか。 図1は、授業間の休み時間における生徒の居場所を表したものである。教科センター型のA中学校では、「次の授業の教室」「ホームベース」に、ほぼ均等に居場所が拡散しているのに対し、特別教室型のB中学校では「自分の教室」で過ごす生徒が7割近くを占めていることがわかる。 |
▲図1 授業間の休み時間における生徒の居場所 |
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「一般的に教室内でつくられる集団は、一人の座席を中心に居場所が形成されます。集団が大きくなれば、周囲の座席の生徒は押し出され、教室内に居場所がなくなります。教科センター型では必ず4~5人の集団ができることを想定したつくりで、机やいすの配置やオープンスペースの設置などもあらかじめ集団的な要素を加味しています。また教科教室が固定されることで、各教科に必要な情報の集積が可能になり、生徒はそうした情報を常に手に入れることもできます」(西村伸也教授)
こうした学習環境の優位性に加えて、西村教授はインフォーマルな人間関係の構築も教科センター型に優位性があるという(図2)。 |
▼図2 学習運営方式の利点・欠点の比較 |
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教室やHB、オープンスペースなど複数の場が生徒に用意されていることや複数の教師との接点を持ちやすくなるため、校内での人間関係づくりの可能性も広がる。また、生徒は移動の中で自分の居場所を見つけ、集団への所属も固定化していない。
このメリットを特別教室型でも享受するには、(1)空き教室を活用した自由に出入りするスペースづくり(2)4~5人の小集団ができることを見通したスペースづくり(3)教科の情報が集積されたスペースづくりなどの工夫を行うことが挙げられる。 |
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