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社会に出てからも役立つ、事実に基づいて考える力
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だが大原先生には、こうした授業を進めていくうえで深刻な悩みがあるという。それは、理科の授業時数削減のなかで、余裕を持った指導が難しくなっていることだ。
「教科書通りなら1時間の授業が、私の手法だと3時間かかることもあります。だから1時間の授業を3倍の密度で進めていくしかありません。授業についていくのが大変な生徒には、無理をさせてしまいます」
もう一つ気になっているのが、ドリル学習の減少のせいか、生徒の計算力が落ちていることだ。計算力がないと、理科の学習のなかでグラフを読み込んだり、実験結果を分析したりといったことができなくなってしまう。授業でフォローするのは難しいため、大原先生はグラフや計測器の読み方などの宿題を多めに出すことで対応する。
大原先生は「理科で身につけた力は、社会に出てからも役に立つ」と話す。例えば、企業に就職してある商品を売り出すときには、どんな人が購買層になるか予測を立て、アンケート等で検証し、その結果を分析するといった場面もあるはずだ。これは理科の実験の過程と重なり合う。
「課題に対して、自分で予測し、計画を立て、分析できる生徒を育てたい。授業には、常にそういう気持ちで臨んでいます」
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