特集 「考える力」を引き出す授業―理数教科からのアプローチ―

新潟大学教育人間科学部附属長岡中学校

長岡市は新潟県中越地方に位置する人口23万5千人の都市。附属長岡中学校は現在、附属幼稚園、附属長岡小学校とともに文部科学省研究開発指定校として、「創造的な知性と自然との共生の心を培う『科学的な感性、科学的なものの見方・考え方』をはぐくむ幼稚園・小学校・中学校の12年間を見通した教育課程の研究開発」に取り組んでいる

田村 裕

▲校長 田村 裕

生徒数 356人
学級数 9学級
所在地 〒940-8530 新潟県長岡市学校町1-1-1
TEL 0258-32-4190
FAX 0258-32-6336
URL http://www.nagaoka.
ed.niigata-u. ac.jp/

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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実践事例<理数を超えて>
新潟県
新潟大学教育人間科学部附属長岡中学校

科学的なものの見方・考え方を全教科に取り入れる

すべての教科において、教師が意図的に生徒の内面に「なぜ」を発生させ、それを解明させることで科学的なアプローチを意識させる。理数系教科のみならず、あらゆる学びの場で科学的な素養を獲得していくことを目指す意欲的な取り組みを紹介する。

自ら課題を見つけ追究する力を養う

 新潟大学教育人間科学部附属長岡中学校(以下、附属長岡中学校)は、附属幼稚園や附属長岡小学校と連携し、「創造的な知性を培う」という研究に取り組んでいる。同校のいう「創造的な知性」とは、抽象的、観念的な創造力のことではなく、科学的なアプローチを通して「新たな概念・認識・価値観を創り上げる能力」のことである。取り組みの背景について、研究主任の渡部祐子先生は、次のように話す。
 「本校の生徒は、知識・理解の到達度も高く、学習への関心も高いのですが、自分で問題や課題を見つけ、独自の方法を工夫しながら追究していく力は、まだまだ弱いと感じています。身につけた知識を自分の問題意識と関連づけながら思考を深めることで、新たな概念や認識、価値観を生み出していく能力を身につけてほしいのです」
 附属長岡中学校の取り入れている科学的なアプローチとはどのようなものなのか。その鍵となるのが、「科学的な感性」と「科学的なものの見方・考え方」という二つの概念だ。


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