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生徒が議論しながら答えを見つけ出す質問道場
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ただ、難しいのは、基礎が身についていない生徒への手立てだ。
蜆塚中学校の教師は生徒に対して、「チャレンジ検定は、ほかの生徒と競うために行うものではない。授業の進度や他人のことは気にせずに、自分のレベルに合わせて挑戦することが大切である」と話しているという。授業についていくのが大変になっている生徒にとって、チャレンジ検定は、本来なら自分の学習状態を知り、もう一度基礎に戻って学習をする貴重なきっかけとなるはずだ。
だがそうした生徒は往々にして、高い学習意欲をなかなか維持できなかったり、学習のしかた自体がわからなかったりする場合が多い。
そこで蜆塚中学校が、そうした生徒への個別指導の場として設けているのが「質問道場」だ。質問道場は、チャレンジ検定や定期考査にあたる定着度評価などの各種テストの前に開かれる。学習進度が大幅に遅れている生徒については、教師が指名をして、直接個人指導に当たる。
一方、それ以外で学習進度が遅れがちな生徒については、間違った問題を素材にして、「どこが間違っているのか」「どうすれば解けるのか」を生徒同士で議論させながら、問題に取り組ませる。教師はそのようすを見ながら、適宜ヒントを与える。どうしても問題が解けなかった場合を除いて、答えを導き出すのは基本的には生徒自身だ。こうしたやり方は、とくに数学において有効だという。
「生徒同士で協力しながら一つの答えを見つけ出す。その体験によって、学習理解が深まるばかりでなく、学習意欲も高まるのではないかと考えたのです。
普通はグループのなかに一人理解の速い生徒がいると、その生徒がミニ先生になって一方的にほかの生徒に教えるだけになりがちですよね。でも質問道場ではみんなが同じレベル。自分から主体的に発言して、お互いに学び合いながら問題に取り組んでいくことができる。そうしたメリットが大きいですね」(田中先生)。
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