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発達状況に即した基礎学力育成の工夫
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中1の1学期には論理的な思考に興味の焦点が移っていますから、それを踏まえた指導を心掛けるべきでしょう。この時期に小学校のようなドリル学習を繰り返せば、能率が悪いだけでなく、学習意欲を削いでしまいかねません。
しかし、小学校時代に技能をきちんと習熟していない生徒の場合、話は別です。算数なら四則計算、国語なら漢字の読み書きや基礎的な読解力などの習熟は、概念理解につながる高度な学習のために不可欠です。その土台が築かれていない場合、中1の段階で能力不足を補わなくてはなりませんが、その際、指導に工夫を凝らす必要があります。
例えば、「○分以内に解こう」などと、競争的な要素を利用するのも有効な方法です。漫然と解くよりも達成感を覚え、次の学習への意欲にもつながります。音楽などの表現活動を組み合わせたり、問題にゲーム性を持たせたりすることでも効果が期待できます。また、「検算」も効果的な学習です。足し算の答えを引き算で、掛け算の答えを割り算で確かめる。元の数字に戻るかという一種のワクワク感が味わえます。
新たな教科である英語の導入期につまずく生徒も少なくないようです。最近は、英語活動を導入する小学校が増えていますが、そこでは、「聞く・話す」の学習が授業の大半を占めています。小学校では、「英語を好きにさせる」という考えが強いんですね。
もっとも、英語は、新たな教科であるため、他教科に比べて反復学習が受け入れられやすく、生徒の興味を上手に引き出せば、学習効果も上がります。そのためには、歌や異文化紹介、ペア活動、ロールプレイなどを織り交ぜるのも効果的です。
授業内容を検討する際には、教師が学ばせたいことを一方的に詰め込むだけでは、生徒の能力や意欲との間に齟齬(そご)が生じます。まずは生徒を深く観察して、興味の範囲外にある内容であれば、興味を引き出せるような工夫を盛り込むことが大切です。
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