特集 つながる小中の「学び」―小学校から中学校、その接続を考える―

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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早期化する思春期

 子どもの心身の発達が近年加速していることも認識しておく必要があります。
  思春期の開始時期は従来、平均的に小6からという通念がありました。これは女子にとっては初潮の時期に重なります。近年、30~40年前と比べて初潮の時期が1年ほど早まっているというデータがあります。子どもの成長が早まっているのは男子も同様ですから、今や男女ともに思春期は小5を境に始まると捉えた方が自然です。
  それは、意識面の調査にも表れています。文部科学省の研究開発学校として「小中一貫教育」に取り組んでいる広島県呉市の小・中学校が行った調査では、「自分はまわりの人から認められていると思うか」という質問に対し、小4までは8割以上が肯定的な回答をしますが、小5になるとそれが半数ほどになります(図1)。「自分が好きか」という質問でも同様の結果が表れています。また、社会性は小5と小6を境に大きく変化します。「休日、だれと外出するか」に対し、小5は「家族」との回答が8割を超えますが、小6は「友だち」が最も多くなります。「困ったときにだれに相談するか」という質問でも同様に小6を境に変化しています。つまり、この時期に、依存の対象が家族から友だちへとシフトしていくわけです。

図1

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