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子どもの小学校時代の姿を把握する
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更に身体的な成長が重なり、そのことが精神面にも大きな影響を及ぼします。小4まではだれもが一様に子どもっぽい体形ですが、小5になると急激に成長する子どもが出てきて、クラス全体を見渡すと、外見的に大きなバラツキが生じます。同じ呉市の小・中学校のデータによると、身長・体重の面でのバラツキは、中3ごろまで続きます。
この時期には自我が目覚めますから、まわりと見比べて、自分の体は大丈夫なのか、おかしいのではないか、という不安が生じるんですね。自分の成長状態に強い関心を持ち始めるのです。更に、将来のことも考え始めるようになり、なんのために勉強するのかという疑問も生じ、学びがいを感じなくなる。そうした状況に置かれる子どもが小5を境に増えているのが現状です。
思春期に突入した子どもを、それまでと同様に小学生扱いをすると、学習面にも生活面にも悪影響が生じかねません。不登校や問題行動は中学生になると急増しますが、その萌芽が小5に見られるという事実は、ここに一因があると考えられます。
子どもは中学生になって突然変化するわけではありません。当然のことですが、子どもは小学校から続く時間の連続の中を生きているのです。ですから、中学1年生の初期指導実践のためには、遡って彼らの小学校時代の姿を把握することが一番です。危険なのは、昔の子どもに対するイメージを抱いたまま、今の子どもに接することです。そこで間違うと、子どもとの間にコミュニケーションの断絶を起こしかねません。そうならないためにも、中学校の先生方は実際に小学校に足を運んで、固定観念にとらわれないで、子どもたちの姿をしっかり見ることが大切でしょう。そして、小学校の教師と積極的に情報を交換することが、スムーズな小・中学校の接続教育を進めていくうえで、今後ますます求められます。
(談)
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