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粘土細工で空間図形を理解
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「文字式」の単元にも、具体物が取り入れられている。04年度に題材とした「宿泊学習」では、生徒はグループに分かれ、宿泊学習で行った具体的な活動の中から題材を探した。例えば、あるグループは宿泊学習前に配布した案内書の作成を振り返り、使用した紙の枚数を「(生徒に配った枚数)+(教師に配った枚数)+(余った枚数)+(失敗した枚数)」という式で表し、数と文字で置き換えていった。
こうした具体と抽象の世界を行き来させる形の授業は、生徒の理解を促すだけでなく、学習意欲を引き出すうえでも非常に効果的だという。
「実際の具体的な題材を選ぶことで、生徒は抽象的概念も実生活に関連していることを実感し、数学を身近な学習と捉えます。このことで、『数学は生活の役に立たない』という声を少なくしようと考えています」
もう一つ、「空間図形」の単元を例示したい。この単元では、最初に先生が「正面から見たら長方形、真横から見たら台形、これはなんでしょう」とクイズを出す。正解は、生徒の目の前にある四角柱のスピーカーなのだが、生徒は先生に質問をしたうえで、想像した見取り図を描き、実際の形と比較する(図2)。更に、生徒は二人一組になり、1人は図形の模型を見ながら、その形を口頭で説明する。もう1人は、模型を見ずに、その説明をもとに粘土で図形を再現する。
「1人はじっくり観察し、もう1人は図形をつくることで、空間の認識力を磨いていきます。更に『竹ひごを必ず使い、粘土細工をするように』との課題も出すと、生徒は自然と『母線』の位置に竹ひごを配し、その意味を理解していくんです」(写真1)
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更に、それぞれの図形の特性を理解させたあとは、例えば五角柱の体育館など、日常の中にある図形に目が向くように仕向けていく。そのように、数学的な理解のあとに、もう一度、実生活に立ち返らせることで、理解はより深まると牧田先生は話す。
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