特集 学校力を生み出す学校評価

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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情報発信で外部の信頼を高め学校の主体性を保つ

 2回目の学校評価は、11月から12月に行う。質問項目は1回目と同じにし、2学期に軌道修正した方針が、どのような成果・課題を生んだかが一目瞭然となるようにした。結果は3学期の企画書に反映させる。
  PDCAの効果を高めるために、石井中学校が力を注ぐのは、保護者や地域住民に対する情報発信だ。保護者には、学校や学年、学級が発行するプリントや懇談会を通し、教育目標やめざす生徒像、また行事や学級での出来事を詳しく伝える。同様に、会合や公民館への掲示などを利用して、地域住民にも情報を共有してもらえるように努めている。
  「2日に1回学級だよりを発行する担任もいます。アンケートの結果、学校の情報を幅広く発信することが保護者の信頼を高める大きな要因の一つだとわかりました」(堀井先生)
  更に、学校が主体性を保つためにも情報の発信は重要だと、岩堂校長は強調する。
  「外部評価により外からの意見に振り回されると、方針がぐらつきかねません。それを防ぐには、しっかりとした教育理念を持ち、基軸の太い教育課程をつくることが大切です。外部に向けてそれを発信し、まず学校の責任を明らかにする姿勢を見せる必要があります」
  そうした考えから、石井中学校では「教育目標」も、教師の目や学校評価から浮かび上がってきた実態に即して、柔軟に変化させていく姿勢をとる。05年度に新たに設定した現在の教育目標「一人ひとりの子どもが輝き、真に豊かな生活を送ることを目指して」も毎年見直し、必要であれば変更を加えていく予定だ。

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