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今までの伝統を大切に新しい伝統も生み出す結束力
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城東中学校では、生徒だけでなく、教師同士の結びつきも強い。犬山市の調査では、「教師の間のチームワークがとれている」と答えた教師の割合が86.7%にも達し、市の平均より10ポイント以上も高かった。強い結束力は、「生徒中心」に考える共通の目標から生まれたものだ。
「教師が全員で城中生を育てるという校風があります。教師同士の会話でも、話題の中心は生徒のこと。会議では厳しい意見も出ますが、それも生徒のためを思ってのものばかりです」(不破校長)
「自分の学年やクラスの生徒だけでなく、生徒全員を見守っていく意識が強いと思います。職員室でポケットに手を入れて話している生徒がいると、それを見た教師がすぐに注意します。学年を超えて指導していただけるのはありがたいです」(岩田先生)
生徒たちの「伝統を守ろう」という意識の強さが、悩みを生むこともある。実は05年度の3年生は、2年年時に大人しく、3年生になってもこの傾向が続いた。そんなときこそ、教師の果たす役割は大きい。
「進級時には、3年生も経験が浅く、まだ自信が持てずにいます。生徒会も有効な手を打てないでいたのですが、生徒は行事を一つひとつ重ねていくごとに成長していきました。私たちはそれを信じて、見守り、励ますようにしていきました」(不破校長)
転機となったのは先に紹介した体育大会だ。応援や競技をつくり上げるプロセスで力を注ぎ、素晴らしい盛り上がりを見せたことが、集団としてのまとまりを強くしたのだ。
その結果、これまで以上に学級、学年、そして学校全体のまとまりが強くなった。体育大会後にある「文化のつどい(合唱発表会)」では、1、2年生が、体育大会で同じチームだった3年生のもとを訪れ、教えてもらう光景が見られたという。
更に、先輩たちから引き継いだ伝統をただ守るばかりではなく、「挨拶」を新しい伝統とする活動も始まっている。生徒の発案で、生徒集会やポスターを通して「さわやかあいさつ隊」を募集し、スタートした。そのシンボルとなるバッジをつくり、呼びかけに応じた生徒はもちろん、教師にも配って輪を広げている(写真3)。
伝統を大切にしながらも、新しい伝統を生み出していこうとする城東中学校の校風こそ、同校の活動を支えているといえるだろう。 |
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写真3 「さわやかあいさつ隊」を呼びかけるポスターとメンバーに渡されるバッジ。一つひとつが生徒の手づくりだ |
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