特集 コミュニケーションが生まれる授業づくり
VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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VTR研修でわかった「生徒不在」の授業

 教師の足並みがそろいつつあることを感じた齋藤校長は、04年度後半から校内でVTR研修を行うことにした。授業を撮影したVTRを見ながら、担当教師が授業の意図を説明、ほかの教師が講評するという取り組みだ。公開授業ではなくVTRを用いたのは、(1)担当教師が自分の授業を振り返ることができる、(2)見学によって、ほかの教師の授業がつぶれない、(3)大勢の教師に取り囲まれる公開授業と違い、教師や生徒が普段に近い感覚で授業に臨める、といった理由からだ。
  VTR研修というと、教壇の教師を中心に撮影してしまい、研修会では板書や立ち位置といった授業手法の講評に終始しがちである。しかし、「協同的な学び」はあくまでも生徒が主役。そこで、吉原東中学校 では齋藤校長自ら、生徒一人ひとりの表情を拾うように撮影した。研究主任の荒川幸人先生はこう振り返る。
  「VTRを見て、ショックを受けました。『早く終わらないかな』という顔でうつむく生徒や淡々とノートを取るだけで一言も発しない生徒。生徒が授業を静かに聴いていることをプラスに受け止めていましたが、それは教師の思い込みにすぎず、多くの生徒が授業に『参加していない』ことを思い知りました」
  VTR研修を通して、自らの授業を見直す必要があると多くの教師が気づき始めた。

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