特集 コミュニケーションが生まれる授業づくり

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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グループ学習を生むコの字型の机の配置

 取り組みの2年目となる05年度、齋藤校長は一歩進んだ方針を打ち出した。コの字型の机の配置と、授業中に必ず1度、グループ学習を実施することを「ルール」にしたのだ。
  「頭で効果を理解しても、実際に自分の授業に取り入れるところまでは、04年度中に進まなかったのです。まずは形から入って効果を体感してほしいと考えました」(齋藤校長)
  グループ学習についても「グループ編成は3、4人の男女混合とする」とルールを決めた。04年度の経験から、少人数の方が全員が話し合いに参加でき、男女混合の方が話が盛り上がるとわかったからだ。
  「たくさんの試みを一度に始めるのは技術的にも精神的にも難しい。05年度の授業改革はこの2点に集中し、問題が生じたらそのときに話し合うことにしました」(齋藤校長)
  VTR研修は年度内に1人2回を目標とした。04年度の2倍ものペースになるため、教師全員が一堂に会する方法で研修を行うのは難しくなった。そこで、教師を6、7人ずつ2つのグループに分け、1度に2つのVTR研修を行うようにした。これなら月1回程度の実施で済み、1人当たりの発言も増えて話し合いが深まる。実際、回を重ねるにつれ、研修会では「協同的な学び」に関する本質的な意見が交わされるようになった。
  「あの生徒は自分の授業ではしゃべらないのに、どうしてこの授業では活発なのだろうか」
  「このグループは気まずい雰囲気なので、教師が働きかけるべきではないか」
  教科の壁を越えて、さまざまな疑問や意見、アドバイスが飛び交った。生徒だけでなく、教師の間の「対話」も活発化したのだ。

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