教育現場の挑戦 小中連携で変わる中学校教育

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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3部会を設置し全員参加で議論を行う

 しかし、いつまでも代表による会議だけで実施内容を決めていたのでは、全教師の問題意識には発展しない。そこで、05年度からは連絡協議会の下に教科指導、生徒指導、進路指導の3部会からなる「上下町小中一貫教育研究推進協議会」を設置し、小・中学校のすべての教師がいずれかの部会に参加するようにした
  協議会は月1回のペースで行われた。まず、連絡協議会において研究テーマや目指す子ども像など小中連携事業のベースとなる理念が検討され、研究主題として「小中9年間を見通したコミュニケーション能力を高める指導の在り方」、目指す子ども像として「ルール・マナーを守る子ども」「進んで学習する子ども」などが掲げられた。
  これを受け、各部会で教科の指導内容や方法、生徒指導の方針、進路学習の内容など、それぞれの活動についての情報交換が始まった。重複している部分があれば整理し、方針のずれがあれば統一するなど、各部会ごとに9年間を見通した指導の方針を探ろうというわけである。例えば、進路指導部会ではキャリア教育の構築をテーマに討議した。研究主任の杉原満治先生は次のように抱負を語る。
  「現在、中学校では年に5日間の職場体験を、小学校では職業調べや地域の施設見学などを行っています。こうした現状の取り組みを『コミュニケーション能力の育成』という観点から今一度整理しつつ、小中9年間を見通した具体的な計画を練っていきたいですね」
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図1

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