教育現場の挑戦 小中連携で変わる中学校教育

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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9年間を見通したカリキュラムの作成に着手

 こうした活動に加え、06年度からは9年間を見通したカリキュラムの作成も始まった。前述の3部会とは別に、小・中学校の全教師が参加するカリキュラム委員会を新たに設置し、全教科で小中一貫のカリキュラム作成が動き出したのである。
  「学校教育で大切なのは、なんといっても授業です。05年度から小中9年間を見通したカリキュラム作成の必要性は認識されてきましたが、具体的な動きには至りませんでした。相互理解が深まってきたことを受け、06年度から小中連携の柱として本格的に着手することにしたのです」(高浦校長)
  現段階では議論の途上ということもあり具体的なカリキュラムの策定にまでは至っていないが、理科では次のような方法が考えられている。
  「まず中学校の各学年における学力を分析し、どのような力がついているのか、いないのかを明らかにする。身に付いていない単元については小学校での関連分野を膨らませ、十分習得できている単元についてはある程度省略するといった方法で進めていきたいと考えています。場合によっては、小学校と中学校が合同で授業や実験をする機会を設けるなど、柔軟に進めていきたいです」(杉原先生)
  現在、府中市では教育委員会でも市内の小・中学校の代表を招いて、全教科のモデルカリキュラム作りを進めている。06年度中には5教科のモデルカリキュラムが完成する見通しなので、上下中学校区ではこれも参考にしながら、07年度中に上下学区版カリキュラムを完成させるつもりだという。

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