第2部 学力調査を活用した実践事例 [事例1]石川県かほく市立河北台中学校
VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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家庭学習の定着を図る「MY学習ノート」

 一方、学習意識調査から浮かび上がってきた弱点の一つ、「学びの基礎力」の弱さを強化するために、保護者を巻き込んだ家庭学習の定着に向けた取り組みが始まった。その核となるのは「MY学習ノート」(写真1)だ。これは毎日、最低30分間、自分の関心のあることを家庭で学習させ、その成果をノートに記入させるというもの。家庭で保護者のサインをもらってからノートを提出させている。
  「保護者からは『子どもが学校で何を学んでいるかがわかり、会話のきっかけになっている』との声が寄せられています。保護者の協力を得られることで、家庭学習の習慣化を促す効果も高まりました」(大和先生)
  提出されたノートには副担任がコメントを添え、その日のうちに返却する。担任と副担任は、「最近、あの子は頑張っている」「あの子は保護者のサインがなかった」などと、常に情報を共有している。小学校に通う弟や妹がいる複数の生徒の保護者から、小学校にも同様の取り組みを求める声が寄せられたというから、いかに理解と協力が得られているかがうかがえる。
  また、生徒の学習意欲を引き出すために「学習強化週間」が設けられた。
  「日頃から『勉強しろ』と言い続けても、生徒は『またか』と思うだけで、あまり効果はありません。そこで『テスト前だから○時間勉強しよう』などと、短期間の目標を挙げたキャンペーン期間を学期に一度設けています。生徒の意識にめりはりをつけることを狙っています」(大和先生)
▼ 写真1 MY学習ノート
写真1
毎日の学習の成果を1ページずつにまとめ、所要時間も記載する。保護者がサインして、朝に提出。副担任によるコメントが添えられ、帰宅時までに返却される

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