第2部 学力調査を活用した実践事例 [事例1]石川県かほく市立河北台中学校
VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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年3回の「実力テスト」で指導改革の効果を検証

 さらに河北台中学校では、こうした改革と並行して実力テストを年3回実施し、指導改善の成果を追跡調査している。実力テストは元々長期休業明け(4月上旬、8月下旬、1月上旬)に生徒の気を引き締めるために始められたが、全学年が学力調査を受検した05年度に作問方針を大きく変えた。調査結果の課題を受け、各教科担当が指導に重点を置いた領域を集中して盛り込んだ、追跡調査用のテストに発展させたのである。
  「学力調査を生徒の現状把握に用いるのみでは、その結果を完全に生かしたことにはなりません。指導改革の成果がきちんと表れているのか、検証していくことが必要だと考えました。生徒はもちろん、教師が指導の方向性を確かめる効果もありますよね」(大和先生)
  06年度以降は、個々の生徒の学力調査と実力テストの結果をコンピュータに入力し、学力推移を追跡するシステムの構築に取り組んでいる。年1回の学力調査に、年3回の実力テストのデータをプラスすることで、個々の生徒の更にきめ細かい実態把握を目指す。
  「定期テストでは出題範囲だけを学習し、器用に点を取る生徒がいます。そういう生徒は内申点も高い傾向にありますが、中には範囲が決まっていないテストを苦手とし、結果的に高校受験で苦戦してしまう生徒が少なくありません。そうした問題を発見できることも実力テストのメリットの一つです」(大和先生)

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