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「学びの基礎力」への対策を続けざまに実施
一連の取り組みは徐々に効果を表している。例えば、06年1月の実力テストでは、05年度の学力調査を基にした追跡調査が行われ、
図3
のような良好な結果が表れている。
しかし、今後の課題もある。一つは、学力調査の個人データの活用法だ。学年や教科ごとの課題は授業改善に生かされているが、生徒個々に対しては「課題を認識し、足りないところは勉強しましょう」とデータを返却するだけにとどまった。
「生徒個々の実態を把握するシステムづくりに加え、いかに個に応じたフィードバックを充実させるかが今後の課題です。その体制を整え、継続的に取得したデータを学力向上に役立てると共に、保護者との連携を深めるためにも活用したいと考えています」(大和先生)
また、「学びの基礎力」の強化にはより細かな生活指導が必要だと、河北台中学校は考えるようになった。例えば、質問時に「はい」という返事が習慣になっていないこと、発言の声が小さいことを「活力の不足」の表れと捉え、05年度以降、返事や発言の指導を徹底している。
「単純ですが、これだけで学校に活力が生まれ、雰囲気がガラリと変わりました。今後も重点的に続けていくつもりです」(大和先生)
一方、1年生には授業やテストの受け方をはじめ、学習習慣の指導に力を入れ、いわゆる「中1ギャップ」の払拭(ふっしょく)を図っている。
学力調査の徹底的な分析から、さまざまな対策を生み出している河北台中学校。研究1年目の模索期を経て、更なる学校改革に向けてスタートを切っている。
▼図3 実力テストによる追跡調査の結果
05年5月のかほく市基礎学力調査の課題を基に重点的に指導した分野を、06年1月の「実力テスト」で追跡調査。正答率は上昇しており、課題克服の進展具合がうかがえる
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