第2部 学力調査を活用した実践事例 [事例2]奈良県 奈良市立都跡中学校

School Data
奈良県 奈良市立都跡中学校

1985年開校。自然豊かな風光明媚な地域で、平城京の朱雀大路があった付近に位置する。周囲には唐招提寺や薬師寺をはじめ、由緒ある寺院が多い。04年度には都跡小学校と小中連携による学力向上事業に着手したほか、地域連携事業や生徒活動の活性化事業をはじめ、さまざまな取り組みを展開している。

加藤二三男

校長 加藤二三男先生

児童数: 326人

学級数: 9学級

TEL: 0742-33-1378

FAX: 0742-33-3358

所在地: 〒630-8031
奈良県奈良市柏木町13

URL: http://www.naracity.
ed.jp/miato-j/

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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【事例 2】

奈良県 奈良市立都跡(みあと)中学校

学力向上への手がかりを探し学力調査を小中同時に実施

都跡中学校は、2004年度から「一小一中」の関係にある
都跡小学校との連携事業を推進している。
取り組みの中心は、学力調査によって、子どもたちの実態を捉えることだ。
明らかになった課題も踏まえ、より効果的な学力向上の取り組みを模索している。

小中教師の課題共有を目指し学力調査を実施

 都跡中学校のある都跡地区は、奈良時代の平城京の跡地に広がる地域だ。悠久の歴史が刻まれた落ち着いた環境にある都跡中学校と都跡小学校は「一小一中」の関係にあることから、2004年度から2年間、奈良市の小中連携推進モデル事業の指定を受けている。
  一小一中という環境から、都跡中学校の教育は保護者や地域住民との緊密な連携によって支えられてきた。しかし近年、学力低下や学習態度の変化など、さまざまな課題が目立ち始めていたという。そこで、小中連携の取り組みは、学校として子どもの実態を客観的に把握し、学力向上を中心とした取り組みに結び付けることを目標にした。
  最初に行ったのは、小中の全教師に対する意識調査だ。04年夏、子どもの実態をどう捉えているかを聞いた。すると、意外にも教師の間で子どもたちの実態認識にばらつきが大きいことが判明した。「家庭学習の習慣が身についている子が多いか」「先生の話を集中して聞いているか」といった多くの設問で教師によって正反対の回答が寄せられたのだ。都跡中学校の研究主任・村尾慎子先生が結果を振り返る。
  「例えば、『大半の生徒は集中して話を聞いている』と答える教師がいる一方で、『あまり集中して聞いていない』という回答もありました。小、中共に、教師が同じ視点で子どもの実態を把握していないという現実が明らかになったのです」
  実態を正確に把握できていなければ、効果的な対策は立てられない。意識を共有化するための客観的なデータが必要との判断から、小中同時に学力調査と学習意識調査を実施することになった。
●05年度の学力調査の受検状況
実施主体/ 都跡中学校
実施時期/ 3月
対象学年/ 1~3年生(全員)
対象教科/ 国・数・英・理・社・学習意識調査(1、2年生)、国・数・英(3年生)

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