第2部 学力調査を活用した実践事例 [事例2]奈良県 奈良市立都跡中学校

石原伸浩

都跡小学校

石原伸浩先生

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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Column

学習習慣の確立に向けて小学校でも調査結果を活用

 今回の学力調査によって、本校でも今まで漠然としか感じていなかった課題が明らかになりました。具体的には、算数の「数学的な考え方」や国語の「話す・聞く」「音声言語」の分野に弱さが見られることがデータで示されました。
  そこで、06年度からは、算数の学力補充の時間として高学年では「チャレンジタイム」を週1回実施。まずは基礎学力の定着を目指しました。その上で、個に応じて学習内容を変化させて、一人ひとりの学力のより効果的な向上を図っています。また、低学年では全校で行っている朝読書の時間を使って「話す・聞く」能力を高めるために「1分間スピーチ」も取り入れています。主体的に「話す・聞く」時間を設けることで、低学年から伝え合う力を高めていくことを狙っています。
  一方、調査結果の分析を通じて、先生方の間に「小学校の積み残しをそのまま中学校に持っていかせてはならない」という意識が芽生えてきたことも大きな変化の一つです。調査では「中1ギャップ」の存在が改めてクローズアップされた形ですが、今後は、小中が協力し、9年間を見据えた指導を考えていきたいと思います。

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