同様に、日々の学習方法について「予習中心」か「復習中心」かを尋ねた図6にも着目してみたい。これを見ると、「予習中心」の生徒が減り「復習中心」の生徒がほとんどであることがわかる。
さらに、学習内容について尋ねた図7からは、「やさしい問題を数多く解く」生徒もわずかながら増加傾向にあり、「難しい問題をじっくり解く」生徒が減少していることも読み取れる。自ら難しい課題を見つけ、チャレンジするような生徒は少ないようだ。
以上を踏まえると、「授業にはまじめに取り組み、家庭学習も以前よりやるが、自ら学ぶ姿勢や、課題を見つけて取り組む姿勢が弱い」のが、現代の中学生の特徴と言えそうだ。ここ数年の指導で一定の「学習量」の確保には成功したものの、今後は受動的な学習からの脱却を図り、自ら「学びに向かう」生徒をどう育てるかが重要な課題となろう。この点は、下位層の底上げを図り、学習時間の二極化を解消する上でも重要だ。
現場でどのような指導が求められるのか、中学校現場の3人の先生方と、調査結果を分析した耳塚寛明・お茶の水女子大教授に話し合っていただいた。 |