学びが深まるIT活用 教科指導でのIT活用

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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教科の授業でのIT活用で効果的な授業を実現

 宮郷中学校では、ITを教科学習に積極的に導入している。その結果、教師にとってもめりはりのある授業を組み立てやすくなったというメリットが生まれた。
  「生徒主体の授業を組み立てようとすると、生徒を引き付ける部分、最後に押さえるべき部分などを考慮した授業を展開する必要があります。ITを使うと、めりはりのある展開がしやすいのです」(星野先生)
  こうした中で、宮郷中学校では、多くの教師がITを授業で利用するようになった。各教科の特性を踏まえて活用するため、導入方法は一律ではないが、情報収集やまとめ学習、理解度をより深めるための視覚教材の提示といった場面で多く活用されている(図1)。
  例えば理科では、目に見えない現象を映像化したものや、成功率の低い実験を再現した映像を見せて、生徒の理解を深めている。使用する薬品や反応に危険が伴う実験の様子も、ITを使えば容易に見せることができる。
  また、情報教育・理科担当の福島正太郎先生は、ワープロソフトとデジタルカメラを使い、実験結果のレポートを作成させている。
  「今まで手書きで提出させていたレポートをパソコンで作成するようになって、生徒が意欲的に取り組むようになりました。写真などを簡単に取り込めるようになったことで、見る側へ訴える力も高まりました。生徒が互いに意見を言い合うことで、よい刺激にもなっています」
  生徒にとっても教師にとっても、IT導入のメリットは大きい。その共通認識の下、ITを活用する宮郷中学校の今後の展開に大いに注目したい。
図1
IT活用の成功ポイント
point1 生徒が自分のペースで学べる
わかりやすいマニュアルを作成
マニュアルを工夫することで、生徒が自分のペースで課題学習を進められるようにした。生徒のスキルアップが図られ、更なる学習意欲の喚起につながった
point2 授業を効果的にコーディネートする
道具としてコンピュータを利用
「パソコンは、生徒の興味を喚起する授業を展開するための道具」という認識が広がり、教科指導での導入が促進された

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