特集 カリキュラムから考える小中連携
VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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【Column】

多様な小中一貫カリキュラム

小中一貫カリキュラムは、日野学園(P.9参照)のような4・3・2型だけではない。各地の学校で、地域の子どもの状況に応じて、多様なカリキュラムが模索されている。ここでは、特徴的な区分を採用した4校を紹介する。

Curriculum
2・3・4 型
北海道三笠市立萱野(かやの)中学校(岡山小学校)

 構造改革特区である北海道三笠市では、萱野中学校と岡山小学校が2・3・4区分に基づく小中一貫教育に取り組んでいる。小6~中3を一体の教育段階として捉えると共に、小1、小2を「9年間の義務教育の入り口」として位置づけるという発想が、この区分の背景にある。
  「カリキュラムの在り方を議論する過程で、小6を中学生と同じ教育段階とすることについては、小・中学校共すぐに合意しました。残る問題は、前半の5年間を更に分割すべきかという点でした。さまざまな意見がありましたが、『2・3・4制』というカリキュラムに落ち着きました。特区教科『地域科』の開始時期を小3に設定したことや、小1、小2を『義務教育9年間の入り口』として位置づけようとの判断からです」(三笠市教育委員会学校教育課・中川学係長)
  こうした議論は、市内の学校に勤務する現職教師からなる「三笠市教育研究所」と、萱野中学校、岡山小学校両校の教師とで組織する研修部会で積み上げたものだ。その意味で、同校のカリキュラムは三笠市の教師の「経験知」を集約したものといえる。
  「小学校と中学校の校舎が800mほど離れていることもあり、小中の乗り入れ授業が急速には進まないのが目下の課題です。一概に成果を語るのは難しいと思いますが、小学校と中学校の教師それぞれの理解は、着実に深まっていると感じています」(中川係長)

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