特集 カリキュラムから考える小中連携

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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Curriculum
3・4・2 型
宮城県登米(とめ)市立豊里中学校(豊里小学校)

 2004年度から一貫教育に取り組む豊里小学校と豊里中学校は、「学力向上」を目標に、3・4・2区分をとり入れている。実は小中連携を始める前の同校では、学力調査の結果が全国平均を下回ることも多かった。中期を4年間とした背景には、そうした事情も考慮されているという。
  「中1でのつまずきが、小学校のどの時点での内容と関連しているのかなどを見直しました。生徒の学力調査の結果を分析し、発達心理学的知見や東北大の川島隆太教授の理論なども踏まえて検討した結果、本校の生徒にとっては、小4~中1の学習内容を一つのまとまりとして教えた方がよい、という結論になりました」(熊野充利校長)
  そこで、同校は、単元の配置や指導方法を見直すと共に、小4からの「英語科」の実施や、「見直し・振り返り」の時間を設け、中学校で小学校の学習内容を復習する活動を計画的に行っている。学習の系統性が高まったことで、学力調査の得点も改善されてきているという。
  「学力面での効果はもちろんですが、きめ細かな生徒指導を行うようになった結果、不登校児童が減るといった効果も生まれています。これまでは、小中の校舎が離れていたため、『できるところから取り組もう』という方針でしたが、07年4月には校舎が統合されます。一層効果が上がる小中一貫教育を推進して研究していきたいと思います」(熊野校長)

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