特集 カリキュラムから考える小中連携

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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Curriculum
4・2・3 型
佐賀県佐賀市立芙蓉(ふよう)中学校(芙蓉小学校)

 佐賀市教育委員会との協働により、06年度から小中一貫教育に取り組んでいる芙蓉中学校と芙蓉小学校。校地が隣接する環境だが、あえて小6と中1の間に「区切り」を残した4・2・3区分のカリキュラムとした。
  「指導上で『中1ギャップ』といえるような問題が特になかった本校では、現在の6・3制の良さである卒業という節目を残して、子どもの実態により適した区分としました。それに加えて本校は、佐賀市のパイロット校としての責務を担っています。校舎が離れた『普通の学校』でも本校での成果を応用できるように、あえて小6と中1の間に区分を設けたカリキュラムとしています」(中野勇校長)
  構造改革特区や研究開発学校ではない「普通の学校」には、「学習指導要領の特例」は適用されない。そこで、同校は6・3制の枠組みを踏襲しながら授業内容の見直し、特に小学校教師と中学校教師によるチームティーチング、授業の相互乗り入れに力を入れて取り組んでいる。
  「現在では、ほとんどの教科で小中教師の相互乗り入れやチームティーチングによる授業をしています。『特別な措置がなくても、ここまではやれる』という実践を積み重ねていきたいと考えています」(中野校長)


  ここで取り上げた区分以外にも、さまざまなカリキュラムが考えられるだろう。地域の子どもの状況や自校にふさわしいカリキュラムをゼロから考えてみることが、小中一貫教育のスタート地点なのかもしれない。


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