データから見る教育 勉強する理由は中学校段階で変化する

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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「第1回子ども生活実態基本調査」

勉強する理由は中学校段階で変化する

褒める・叱るだけでは学習しない

  子どもたちの年齢と学習動機の関係を調査したところ、年齢と共に学習動機が変化していくことがわかった。 
  下図でまず注目したいのは、「成績が良いと親が褒めてくれるから」の項目だ。年齢が上がるにつれ、数値が徐々に低下していくことがわかる。また、「成績が悪いと親に叱られるから」も、中1で一度数値が急上昇するものの、その後は再び低下していく。中学入学時に、一時的に親の関与が高まるものの、その後は「褒める」「叱る」だけでは、次第に学習に向かわなくなっていく様子が読み取れる。

「学ぶ理由」を見つけられる指導を

 これに対し、中学生になると数値が伸びるのが、「自分が就きたい仕事に就くのに必要だから」の項目だ。また、「問題が解けると嬉しいから」の項目も、中2で数値の低下に歯止めがかかり、高校では持ち直す。子どもの学習動機が、年齢と共に次第に変化していることが読み取れる。
  こうした変化に対応するには、生徒の興味・関心を呼び起こす授業の工夫に加え、「キャリア教育などを通じて、生徒自らが『学ぶ理由』を見つけられるような取り組みを行うことが大切だ」との声も寄せられている。生徒の状況を見極め、適切な動機付けの手法を選択していくことが重要だ。
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図2

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