学びが深まるIT活用 教師の教科指導のアイデアをITサポーターとの連携で実現

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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ITで教科の内容に関心を高め心に残る授業に

  和気中学校の目標として掲げている「基礎学力の定着」の達成のために、ITをどのように活用しているかを見てみよう。
  教科の学習では、多くの教師がパソコンを授業に取り入れている。教師は、生徒が学習内容への関心を高める手段として、ITの効果を実感しているという。
  理科では、プレゼンソフトで教材を作った。これは、絵や写真を駆使して「火山のしくみ」を図解したもので、画像はインターネット上にある著作権フリーの素材を使用した。
  作成の手順は、授業の流れを細部まで検討し、それから教材を作るという流れだ。板書の代わりとなるものをプレゼンソフトで見せたので、生徒には画像のインパクトが強かったようだ。板書よりも集中して見ていた。
  「総合的な学習の時間」で福祉の学習を担当する犬飼幸先生は、コンピュータ室でパソコンを使って、事前の調べ学習をさせている。町に出て点字表示や手すりなどの身近なバリアフリー設備を調べたり、体の不自由な状態を再現する装具を着けたりという体験をしたあとで、生徒はその結果をプレゼンソフトでまとめて、授業中に発表する。全体で30時間の学習のうち、導入とまとめにITを活用している。
  「プレゼンソフトを使ったことのない生徒でも、1時間ほど説明すれば使えるようになります。アニメーション効果などが面白いようで、生徒は楽しそうに使いこなし、こちらが思いもしないようなすばらしい作品に仕上がることもあります」(犬飼先生)
  このほか、社会や音楽などの授業でもITが活用されており、教科の学習でITを使うことは、教師にとっても、生徒にとっても、日常的なものとなっている。

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