特集 生徒が変わる「キャリア教育」

 


VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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社会で認められる経験が自己肯定感につながる

 教師も生徒も学校という閉じた世界にずっといると、どうしてもその中でしか通用しない行動が出てくることがあります。生徒指導の観点からも、さまざまな大人が学校にかかわるメリットは大きいと思います。
 まず、いろいろな大人とかかわることで、社会の常識を身につけられます。更に、大人から自分の存在を認めてもらうことで、自己肯定感が得られる効果も見逃せません。親や教師以外の大人がきちんと話してくれる、良くないことを叱ってくれるという関係が、「自分は社会の一員として認められている」という安定感、安心感の土台になるのです。
 こうした状況をつくりやすいのがキャリア教育です。例えば、職場体験の中で最初は挨拶ひとつできなかった子どもが、何日か後にはきちんと丁寧な言葉で仕事の進め方を相談できるようになったりします。子どもが一生懸命に考えて行動したことを大人が褒める、という状況をつくりやすいのです。  学校では失敗として注意されるようなミスに対して、「まあ、そういうこともあるよ」と太っ腹にかばってもらえたり、逆に学校では優等生の行動として褒められることが、「ただ言われたことを決まり通りにしていてはだめだ。少しは頭を使え」と怒られたりすることもあります。
 一般社会は学校ほど秩序立っていなくて、人生の深さみたいなものを感じられる場面が多い。社会の多様な価値観を知ることもまた大事です。


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