「学力向上部」を研究指定の当初から設置し、キャリア教育と学力の関係について研究しているのも同校の特徴だ。職場体験の事後学習では、「事業所はどんな人材を求めているのか」ということを今の自分と比較させながら、これから学ぶべきことを生徒に意識させる。
更に、通常の教科の授業も、同校はキャリア教育の観点から見直した。校務総括・指導担当の小田源徳先生はこう話す。
「キャリア科だけがキャリア教育の場ではありません。各教科で検討し、キャリア教育の4能力領域を関連させたカリキュラムを考えました」
例えば、数学では「課題解決能力」と「情報収集・探索能力」を、英語では「自他の理解能力」と「コミュニケーション能力」を焦点化するキャリア能力に定め、各単元との関連を明確にしている(図1)。「キャリア教育はある特定の時間だけで行えばよいというものではありません。日々の授業を見直していくことも、子どもが将来を考える力を養うことにつながるはずです」(小田先生)
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