「学校のことがよくわかるようになった」
そんなPTAの声にあと押しされて、05年度版を改訂しようと、05年6月には保護者にアンケート調査を実施。その内容を基に、校長、教頭、各学年主任約10人とPTA学年委員が話し合った結果、新しく「校章・校歌」や「教科学習」の項目が加えられた。更に、3年間の学習の大枠を紹介するページを各教科1ページずつ加えることにした。
「学校は教科学習が基本ですから、教科について載っていないのはおかしいという指摘が保護者からあったのです」(山田主査)
指導の流れを示すにあたり、教科ごとで議論したが、その点が教師にとっても有意義だったのではないかと、永井教頭は指摘する。
「シラバスといえるほど厳密なものではありませんが、じっくり教科の内容について話し合う機会になったと思います。自分たちがどのような内容を教えようとしているのか、教師自身の振り返りにもなったのではないでしょうか」
05年12月には生徒の意見を聞く機会を設けた。PTAと教職員に生徒会の総務委員会を加えた会議を開き、学年ごとに話し合った。その結果、06年度版は大幅に改訂し、ページ数も増やした。07年度版も、生徒とPTAを交えて改訂作業を行った。
生徒を交えた作成には思わぬ効果もあった。「学校について『城中NAVI』に詳しく書いてあるから、生徒手帳はいらないのでは?」「生徒手帳に1年分のダイアリーが入っているが、あまり使っていないよ」などの意見が3年生から上がったのだ。
「以前から生徒手帳とNAVI内容が重複するという指摘がありました。これを契機に、生徒手帳をスリム化しました」(山田主査)
06年度には、「身分証明書」「時間割記入欄」「校歌」「諸届・許可欄」のみという、あまり例のないコンパクトな生徒手帳が誕生した(写真1)。
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