生徒は少しずつ、しかし着実に変わっていった。02年春の卒業式、ついに刺繍服姿の生徒はいなくなった。そんな折、文部科学省の「新しいタイプの学校運営の在り方に関する実践研究」の指定を受けることになった。これが05年からの「コミュニティ・スクール」指定にもつながる。同校は、いきいきスクール推進委員会を発展的に継承する形で「地域学校協議会」(図3)を設置。月1回のペースで取り組み内容を議論していった。その結果、03年9月から、全国初となる「シニアスクール」が開講した(写真1)。生徒減によって生じた空き教室を利用し、20名前後の高齢者が週3日、1日5時間、社会人講師の授業を受けている。朝は自主的に掃除や挨拶運動を行い、中学生と一緒に給食を食べる日もある。今では野球部の応援団まで誕生し、生徒との日常的な交流が行われている。
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