一方、子どもはどのように考えているのだろうか。子ども調査(ヒアリング)からは、特に携帯電話について、中学校入学を境に意識に変化が生じてくることがわかった。
顕著なのは「友人とのコミュニケーション・ツール」として携帯電話を捉える傾向が強まることだ。小学生までは「家族との連絡用」にメリットを感じる割合が高いが、中学校に入ると友だちとの関係づくりのためのツールとしてメリットを感じる割合が高まる。ヒアリングでは「クラスの4分の3以上の人が持っていて、あるとないとでは世界が違う」(中1男子)、「携帯を持っていないと会話に入れない」(中1女子、中3女子)といった声が聞かれた。友だち関係の形成そのものに携帯電話が深く関わっていることが読み取れる。
保護者調査の結果によれば、子どもの携帯電話の所持率は、中学校入学後に急速に上昇している(図3)。保護者としては、メリット、デメリットを共に感じつつ、一定のルールを決めるなどして、携帯電話を利用させているのが現状であろう。 |