学びが深まるICT活用 携帯型ゲーム機用学習ソフトは暗記型学習に効果的

東京都千代田区立九段中等教育学校

東京都千代田区立九段中等教育学校

6年制の公立中高一貫教育校で、中学校に相当する前期課程、高校に相当する後期課程からなる。生徒の個性に配慮したきめ細かな指導が特徴。「学ぶ・鍛える・生きる」をキーワードに、少人数指導や習熟度別授業などを通した学力の向上を目指す。

校長●高木克先生

生徒数●602名

学級数●16学級

所在地●〒102-0071 東京都千代田区富士見1-10-14

TEL●03-3263-2091

FAX●03-3288-3467

URL●http://www.kudan.ed.jp/


藤井英一

▲千代田区立九段中等教育学校副校長

藤井英一
Fujii Eiichi
中村 茂

▲千代田区立九段中等教育学校

中村 茂
Nakamura Shigeru
理科担当
本多敏幸

▲千代田区立九段中等教育学校

本多敏幸
Honda Toshiyuki
英語担当
VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
   PAGE 1/5 次ページ

学びが深まるICT活用

携帯型ゲーム機用学習ソフトは暗記型学習に効果的

東京都
千代田区立九段中等教育学校

毎日20分の朝学習でDS教材の学習効果を確認

 千代田区立九段中等教育学校は、授業において積極的にICTを活用している。技術の時間を使ったコンピュータリテラシーの指導はもちろんのこと、教科学習においても、多くの教師がプロジェクターやプレゼンテーションソフトなどを活用し、生徒を授業に引き付けるための工夫をしている。
 東京都千代田区は、すべての公立小・中学校にICTサポーター(※1)が派遣されており、どの学校もICTを授業に活用している。中でも同校は、ICTの活用に対する意欲が大変高い。教師がICTサポーターと協力して、パソコンを活用した数学の授業を企画したことはその一例だ。校務においても、教師1人に1台のノートパソコンを完備し、データを作成したり、校務や生徒の情報を共有したりするなど、すべての教師がパソコンを日常的に使っている。
 このようにICT活用が進む同校で、子どもから大人まで幅広い世代の人気を集める携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS※2(以下、DS)」対応の学習ソフトを朝学習の教材として使用し、学習効果を検証した。このソフトはベネッセコーポレーションが開発した理科と英語の教材で、ほとんどの教科書に対応している。
 20分間の朝学習が始まると、DSが配付される。「始め」の合図がかかると、ざわついていた1年生の教室はすぐに静まり返った。生徒は真剣に画面と向き合い、終わりまで集中力は途切れないようだ。楽しみながらも、まじめに取り組む様子が見て取れた。
 この朝学習を各教科5日間続け、その前後に理科と英語の学力テストと自由記述を含めたアンケートを実施。DSで学習する前と学習後のテスト結果を比較したところ、英語の平均点は200点満点中約32点(最大で64点)アップ、理科の平均点は100点満点中約34点(最大で70点)アップしていた(実録e授業参照)。
※1:ICTサポーター…ベネッセコーポレーションの「スクールイントラパック」のオプションサービスとして、毎月学校に定期的に訪問する専門のサポートスタッフ。授業でのパソコン活用について教師と一緒に検討する。授業前のパソコン機器の準備や、授業中の先生・子どものパソコン操作の補助なども行う
※2:「ニンテンドーDS」は任天堂株式会社の登録商標です

   PAGE 1/5 次ページ