特集1:生徒指導:つながり、深める「部活」指導
東京都新宿区立四谷中学校

東京都新宿区立四谷中学校

2つの中学校を統廃合して2001年度に開校。校地は東京の都心部に位置する。3年間の教育計画を作成し、評価規準を明確化。45分授業のもと、「オールB以上・オール3以上」という目標を掲げる。06、07年度に文部科学省「コミュニティ・スクール推進事業」の委嘱校。

校長●谷合明雄先生

児童数●363名

学級数●11学級(うち特別支援学級1)

所在地●〒160-0004 東京都新宿区四谷1-12

TEL●03-3358-3771

FAX●03-3358-3770

URL●http://academic1.
plala.or.jp/jyotsuya/


谷合明雄

▲新宿区立四谷中学校校長

谷合明雄
Taniai Akio
全日本中学校長会生徒指導部長

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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【学校事例2】 東京都新宿区立四谷中学校

すべての部に顧問を複数配置
教師の負担が軽減

小規模校の部活動の存続は、顧問を務める教師の異動に左右されがちだ。
そこで、四谷中学校ではすべての部に複数の顧問を置き、
地域の協力も得ながら、生徒の部活動の場を守っている。

「教師が異動しても廃部にならない」が生徒の意欲に

 四谷中学校の部活動に対する方針は、同校の経営方針の柱の一つであり、とても明確だ。「新しい部はつくらず、既存の部をきちんと継続させる」こと。理由の一つに「生徒のモチベーションが高まること」を谷合(たにあい)明雄校長は挙げる。
 「顧問が異動した際に引き継ぐ教師がいなければ、廃部になるのが一般的です。しかし、今まであった部が突然なくなったら、生徒はどう思うでしょう。新宿区では学校選択制を導入していますが、生徒が中学校を選択する際の最大の理由は部活動という調査結果が出ています。部活動をしたくて入学してくる生徒の活動の場を保障することが、生徒の学校生活や学習に対する意欲を高めるきっかけになるのです」
 部の継続を保障すれば、廃部の影響で入学希望者が減るような事態を防ぐことができ、生徒数と教員数を一定に保てる。学校運営が安定し、教育の質の安定化につながる
 谷合校長が部活動の現状維持策を取り入れたのは、新宿区が学校選択制にした2004年以前の99年、同区内の前任校のときだ。大規模校から小規模校に異動し、創廃部が繰り返される状況を目の当たりにしたのがきっかけだった。都全体として教師の異動サイクルが早まる傾向にあり、創廃部も加速するのではないかという危惧もあった。
 谷合校長が四谷中学校に赴任して3年が過ぎた。06年度の新入生は110名だったが、07年度は132名と、1学級増やして対応するほど入学希望者は増加傾向にある。しかも、全校生徒363名のうち約80名が電車通学というほど、同区の全域から入学している。


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