特集1:生徒指導:つながり、深める「部活」指導

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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外部指導員には「学校教育」であることを強調

  部の継続を支えるのは、複数顧問制だ。同校には全部で14の部があり、教師は全員、基本的に二つ以上の部の顧問を担う。一つの部に2名以上の教師が就くことで、練習の付き添いや対外試合の引率を分担。顧問だけで対応できない場合はほかの教師が引率するなど、教師全員が協力することが、各教師の負担減に結び付く。
 「顧問は教師の本務ではなく、強制はできません。ただ、本校の学校運営の柱であることをきちんと説明し、積極的にかかわるように伝えています。その結果、ほとんどの教師が理解し、顧問を引き受けてくれます」(谷合校長)
 転任してきた教師には、担当したい部・できる部を聞く。希望が合えばその部の顧問を務めてもらい、それ以外は顧問となる部を谷合校長が打診する。例えば、演劇指導で優れた実績のある教師でも、同校には演劇部がないため、卓球部と理科部の顧問を務めてもらっている。自分の得意分野でなくても、学校全体として生徒の意欲向上につながるのであれば、前向きに顧問の役割を果たすべきと納得しているのだろう。
 教師が専門外の部活動を受け持つ場合、技術指導は外部指導員が担う。07年度は、野球部、バレーボール部などで10名の外部指導員を依頼した。外部指導員には、部活動は技術習得だけでなく生活指導も含めた学校教育の一環であることを依頼当初から強調している。それでもときには顧問と外部指導員の意見が一致しないこともあるが、今までに大きなトラブルはない。
 「そもそも外部指導員は、地域の体育指導員や子どもと一緒に活動したいというボランティアの方ばかり。学校の方針をきちんと話せば、理解を得るのは難しくありません」(谷合校長)
 外部指導員の募集に際しては、PTAや地域のスポーツチームに声をかけたり、同区の公立小・中学校に配置されているスクールコーディネーター(注1)に依頼したりする。

※1 地域と学校をつなぐパイプ役として、「総合的な学習の時間」や部活動に必要な人材を探すなどの支援を行う。
   准公務員の立場で職員室に席もあり、地域との連携に欠かせない存在


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