特集1:生徒指導:つながり、深める「部活」指導
VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
   PAGE 11/24 前ページ 次ページ

生涯教育の一環として地域の団体と合同練習

 同校は06年度から2年間、文部科学省の「コミュニティ・スクール推進事業」の指定を受け、同区が推進する「都市型コミュニティの構築」と一体となった研究を続けてきた。08年度から2年間は区の「地域協働学校」の指定を受け、地域の人材活用などを通して地域ぐるみで子どもを育てていく取り組みだ。部活動もこの一環として、社会体育と連携しながら進めていく。
 「部活動を生涯学習の一環として位置づけたいと考えています。普段は地域の人々と交流しながら練習し、大会やコンクールなど成果を披露する場合は、学校の代表として参加する。技術を更に磨きたい生徒は、外部クラブにも所属すればよいのです。実際、本校の野球部やサッカー部の生徒は、地域の野球クラブや少年サッカークラブにも入っています。吹奏楽部は地域の管弦楽団と一緒に練習しています(写真)。世代の異なる人々とつながり、それが町づくりやコミュニティづくりへと広がっていくと考えています」(谷合校長)

図
写真 吹奏楽部の練習の様子。区の予算を使って、地元の管弦楽団から外部指導員を招いている。このように合同で練習することもあり、年齢を超えた交流が広がっている

 07年度に校庭に照明を設置し、夜間でも地域の人々が練習しやすいようにした。地域の人々が学校に集まることで、新たな外部指導者を見つけられればという期待も込めている。
 同校の校区にある四谷小学校には、07年度に幼稚園と保育園が一体化した「四谷子ども園」が開園した。ゼロ歳児から中学生までの15年一貫教育への施策が始まっている。その先にあるのは、部活動に限らず、幼児から高齢者まで共に学び合う場をつくること。中学生が活動する場を保障するという同校の取り組みは、そうした大きな流れの中で動いている。


   PAGE 11/24 前ページ 次ページ