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今号のキーワード<授業時数の増加><教科別の指導内容>
特集2
新学習指導要領、ここが変わる
※今号は、2月に文部科学省が公表した 「学習指導要領(案)」を基に作成しています。
「生きる力」を育む手立ての確立を目指す
新しい学習指導要領は、移行措置が小・中学校で2009年度から始まり、全面実施は小学校では11年度、中学校では12年度となる。
教育基本法等の法改正、学力低下を懸念する世論、国内外の学力調査の結果などを踏まえた上で、中央教育審議会教育課程部会で審議が行われてきた。改訂の基本的な考え方は、次の7点に集約される。
(1)改正教育基本法等を踏まえた学習指導要領改訂
(2)「生きる力」という理念の共有
(3)基礎的・基本的な知識・技能の習得
(4)思考力・判断力・表現力等の育成
(5)確かな学力を確立するために必要な授業時数の確保
(6)学習意欲の向上や学習習慣の確立
(7)豊かな心や健やかな体の育成のための指導の充実
(出典/中央教育審議会答申「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善について」[08年1月17日])
学校教育において、「生きる力」を基本理念とすることに変わりはない。これまでと異なる点は、「生きる力」を「知識基盤社会(
注1
)を担うためにさらに必要な力」と位置づけたことにある。
改正された学校教育法には、
(1)基礎的・基本的な知識・技能の習得
(2)知識・技能を活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等の育成
(3)主体的に学習に取り組む態度を養う
の3点に特に意を用いなければならない、と明記されている。
今の子どもには、「生きる力」で重視されている事項に課題があることが、国内外の調査等によって明らかになっている。これらの課題を解決するための施策の一つとして、学習指導要領が改訂されることになる。
注1 新しい知識・情報・技術があらゆる領域で重要性を増す社会のこと
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