*上段は標準授業時数の改訂案。( )内は週当たりのコマ数。下段は現行からの増減
出典/文部科学省「幼稚園教育要領、小学校学習指導要領及び中学校学習指導要領の改訂案等のポイント」(2008年2月15日)
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「生きる力」の育成という目標は変わらないので、学習指導要領の改訂でのポイントは、「授業時数」と「学習内容」である。
授業時数については、各学年共に週当たり1コマ増となる(図1)。教科ごとに見ると、授業時数が増えるのは国語、社会、数学、理科、保健体育、外国語で、中学3年間で1教科当たり35~105時間増となる。「総合的な学習の時間」の授業時数は、現行の学習指導要領では「選択教科等」と共に弾力的に設定され、各校が自校の事情に合わせて決められるようになっているが、新学習指導要領では、標準授業時数が1学年では年間50時間、2・3学年では年間70時間と定められる。1学年では事実上、週当たり1コマ減ることになる。
また、「選択教科等」は枠組みそのものがなくなり、標準授業時数の枠外で開設可能となる。現行では「個性を生かす」という方針の下で選択教科が設けられ、学校の特色に応じてカリキュラムが組めるようになっている。しかし、新学習指導要領では必修重視となり、中学校教育としての共通性が高まったといえる。
朝の10分間に行われるドリル学習等も授業時数に算入できるため、各校の工夫の余地がある。また、35で割り切れる時数になる教科が増えるため、時間割が組みやすくなるだろう。
授業時数の増加に伴い、週5日のうち4日が6時間で、5時間で終わるのは1日のみとなる。 |