特集1:キャリア教育・進路指導:教科で進める「キャリア教育」

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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「生き方の指導」への転換が課題

 キャリア教育の定義を端的に表すと「児童生徒一人一人の勤労観、職業観を育てる教育」となる(注3)。新しい学習指導要領では、「キャリア教育」という言葉そのものは用いられていないものの、生徒の主体的な進路選択とその指導をすべての教育課程で重視する方向性が随所に盛り込まれている(P.7本文参照)。
 一方、キャリア教育の推進が求められていることを「知らない」中学校の学級担任は04~05年の調査で65.0%おり、「知っている」(35.0%)を30ポイント上回っていた。「知っている」場合でもキャリア教育が何を指すのかについて認識が異なるケースもあるようだ(図4)。

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 図5は、管理職・進路指導主事(主任)を対象に、進路指導の変化に関する意識を尋ねた結果だ。全体的に、生徒の意欲や主体性を重視する指導に転換していると思われる。これはキャリア教育の考え方とも一致しているが、「学校選択の指導から生き方の指導への転換」については「そう思わない」または「どちらかといえばそう思わない」回答が2割程度存在しており、今後の課題といえる。
 このように、職業体験などキャリア教育の部分的な取り組みは進んでいるものの、キャリア教育への理解や「学校選択にとどまらない進路指導」の実践は十分とはいえないようだ。

図
注3 文部科学省「小学校・中学校・高等学校 キャリア教育推進の手引」より。キャリア教育とは「『児童生徒一人一人のキャリア発達を支援し、それぞれにふさわしいキャリアを形成していくために必要な意欲・態度や能力を育てる教育』。端的には、『児童生徒一人一人の勤労観、職業観を育てる教育』」とある
図4、5出典)『キャリア教育の推進のための中学校進路指導の現状と課題』(日本進路指導協会、2006)

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