特集1:キャリア教育・進路指導:教科で進める「キャリア教育」
VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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社会に送り出すために教えるキャリア教育はその手段

 同校では、2008年度の学校目標に「すべての教育活動をキャリア教育の視点から見直し(Plan)、実践し(Do)、評価する(See)こと」を掲げている。
 これに伴い、研究推進委員会に道徳主任や特別活動主任、「総合的な学習の時間」を担当する教師が加わる「キャリア教育推進部」を設置した。田中先生は「キャリア教育の推進には研修が不可欠です。特に最初の研修が重要です。キャリア教育は今まで行ってきた教育活動の延長線上にある、との認識を教師間で共有できる機会だからです。これは、学力向上や高校受験への関心が高くなりがちな保護者の理解を得るためにも大切です」と話す。
 同校では、「かかわる力(人間関係形成能力)、いかす力(情報活用能力)、えがく力(将来設計能力)、とりくむ力(意思決定能力)」といった具合に4能力領域(P.14参照)を み砕いて各教室に貼り出している。生徒にも意識してほしいからだ。だが、最も問われているのは、教師自身の意識ではないかと、田中先生は話す。
 「私たちは高校に合格させるためだけに授業をしているのではありません。最終的には生徒を社会に送り出すためにしているのです。一つひとつの教育活動が本当に生徒の将来のためになっているのか、教師としての役割を改めて考えさせてくれるのがキャリア教育ではないでしょうか」

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