特集3-大人の知らないケータイの世界

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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学校数の2倍以上もの学校裏サイトが存在する

 使用状況以上に問題なのは、ケータイで行っている遊びの内容だ。中でも〝学校裏サイト〟(学校非公式サイト)は、最近社会問題化している。学校裏サイトとは、生徒などによって立ち上げられた、仲間うちでの交流を目的にしたサイトのこと。部活動や授業、試験対策など、学校生活に関する情報交換が行われているうちはよいが、いじめや誹謗(ひぼう)中傷、暴力誘発、わいせつ情報発信の舞台になっている場合も多い。
 例えば、ある生徒がケータイから学校裏サイトに「2年でキモイやつは?」と書き込む。するとほかの生徒が、実名やイニシャルで「キモイ生徒」を挙げていく。また「3年のA子は援助交際をしている」といった誹謗中傷が流されることもある。噂(うわさ)や誹謗中傷は、サイトを見たすべての人に知れ渡り、標的にされた生徒は「みんなが自分の噂をしている」と不安を抱きながら、学校に通うことになる。情報の発信源がわからないため、周囲の人を信じることができず、気の休まる時間や場所もなく、不登校や転校などに追い込まれる深刻な事態も起きている。
 学校裏サイトは、一部の学校だけにあるものではない。文部科学省が08年3月に公表した中高生の学校裏サイト利用の実態調査によれば、3万8260件の裏サイトが確認され、そのうちの約半数のサイトで、誹謗中傷の書き込みが見られた(図2参照)。

図
※文部科学省「青少年が利用する学校非公式サイト(匿名掲示板)等に関する調査について」より。
2008年3月公表、調査員が実際にウェブを検索しながら内容を確認する利用実態調査と、群馬県、兵庫県、静岡県の中学・高校生2,418人へのアンケート調査を併用
 日本の中学校と高校の数は、合計で約1万6300校。学校数の2倍以上の学校裏サイトが存在しているわけだ。しかもこの件数は「確認できた数」にすぎない。学校裏サイトには非公開型で調査が困難なものもあり、実際の総数はこの数字を大幅に上回ることが予想される。

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