使用状況以上に問題なのは、ケータイで行っている遊びの内容だ。中でも〝学校裏サイト〟(学校非公式サイト)は、最近社会問題化している。学校裏サイトとは、生徒などによって立ち上げられた、仲間うちでの交流を目的にしたサイトのこと。部活動や授業、試験対策など、学校生活に関する情報交換が行われているうちはよいが、いじめや誹謗(ひぼう)中傷、暴力誘発、わいせつ情報発信の舞台になっている場合も多い。
例えば、ある生徒がケータイから学校裏サイトに「2年でキモイやつは?」と書き込む。するとほかの生徒が、実名やイニシャルで「キモイ生徒」を挙げていく。また「3年のA子は援助交際をしている」といった誹謗中傷が流されることもある。噂(うわさ)や誹謗中傷は、サイトを見たすべての人に知れ渡り、標的にされた生徒は「みんなが自分の噂をしている」と不安を抱きながら、学校に通うことになる。情報の発信源がわからないため、周囲の人を信じることができず、気の休まる時間や場所もなく、不登校や転校などに追い込まれる深刻な事態も起きている。
学校裏サイトは、一部の学校だけにあるものではない。文部科学省が08年3月に公表した中高生の学校裏サイト利用の実態調査によれば、3万8260件の裏サイトが確認され、そのうちの約半数のサイトで、誹謗中傷の書き込みが見られた(図2参照)。
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