特集3-大人の知らないケータイの世界
VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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プロフやコミュニティサイト多様化する子どものネット遊び

 生徒のケータイ利用をめぐる問題は、学校裏サイトだけで起きているわけではない。  「最近、中高生の間で大流行しているのが、企業が運営しているケータイ専用のゲームサイトやコミュニティサイト、プロフなどです。ここでもさまざまなトラブルが発生しています」
 プロフとは、ケータイ上に無料で公開する自己紹介サイトのこと。質問項目に沿って名前や居住地、趣味等を書き込み、写真やイラストを載せると簡単に自己紹介ページができる。プロフには「足跡」といって、接続してきた人がメッセージを残せる機能もあり、未知の人との交流の場にもなっている。問題となっているのは、顔写真を載せたり学校名を書き込むなど、個人を特定できる情報を載せている生徒がいることだ。また「注目を浴びたい」という思いから、下着姿や裸の写真を公開する女子生徒もいる。
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 ゲームサイトやコミュニティサイトは、会員間でゲームや会話を楽しむもの。最大手のゲーム/コミュニティサイト「モバゲータウン」の登録会員数は1000万人を超え(08年4月現在)、約40%が10代といわれる。こうしたサイトでは電話番号やメールアドレスなどの交換は禁止されているが、実際には大人を含む未知の友人や異性との出会いの場になっている面がある。07年には、女子高生がサイトで知り合った男性にホテルで殺されるという事件も起きた。
 「子どもが事件やトラブルに巻き込まれるというと、自殺サイトや薬物サイトといった明らかに有害なブラックサイトをイメージしがちです。しかし、注意を払う必要があるのは、有害サイトにも有益サイトにもなり得るグレーゾーンにあるサイトです。プロフにしてもコミュニティサイトにしても学校裏サイトにしても、常識的な使い方をしている子どもがいる一方で、有害情報を発信したり、リスクの高い使い方をしている子どもが増えています。大人は、グレーゾーンの危険性にもっと目を向けるべきです」

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