特別企画 強まる保護者の関与

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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子どもが判断する機会が減少
計画的に勉強できない」は半数

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 図1は、家庭の教育方針について尋ねた結果だ。全体的に保護者の子どもに対する関与が強まっている傾向が見られる。特に、「親子で意見が違うとき、親の意見を優先させている」「子どもがすることを親が決めたり、手伝ったりすることがある」は、98年調査からそれぞれ約10ポイント増えており、家庭において子どもが自ら判断する機会が減っている様子がうかがえる。

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 では、保護者は、子どもの日頃の生活習慣がどの程度、身についていると感じているのだろう。図2を見ると、「(完全に+だいたい)一人でできる」と回答した割合がどの項目でも減っている。「一人でできていない」から「保護者の関与が強まった」のか、「保護者の関与が強まった」ために親の子どもへの期待が高くなり、「一人でできていない」と感じているのか、今回の調査結果だけではわからない。
 ただ、保護者の関与が強まっている傾向は、生徒の自立を考えたときに注意すべきことである。小学校高学年から中学時代は、自立に向かっていく時期である。親子の距離感を徐々に広げていくなど、親子関係を見直し、変えていく大切な時期だが、それができていない可能性がある。親子の距離の保ち方を考えてもらえるような情報を、保護者会や保護者向けの講演会などを通して伝えていくことが必要かもしれない。


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