では「どうして子どもは勉強しないといけないの?」と子どもに聞かれたら、保護者はどのように答えるのか。自由記述式で得た回答を分類したのが図4だ。子どもの将来を考えての回答が上位にきている一方、3位に「今は勉強すべきときだから」がきている。
学力重視の傾向が強まる中、家庭における教育費の全体平均に大きな変化は見られない(02年19,746円↓07年19,948円)。しかし、学校での成績別に見ていくと、成績上位層の家庭では増えているのに対し、成績下位層の家庭では減っていることがわかった(図5)。社会現象として富裕層と低所得者層の「経済格差」の拡大が懸念されているが、教育の面でも「格差」のあることがデータによって示された格好だ。生徒の家庭的背景が多様になり、先生方も対応が難しくなっていることが推察される。成績下位層の生徒に対しては、家庭の背景を考慮しつつ指導していくことが重要だといえる。 |