特別企画 強まる保護者の関与

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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学力重視の傾向が強まり
教育費の二極化が進む

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 保護者の「学力や勉強」に対する考え方は、変わりつつある。図3の通り、「学校生活が楽しければ、成績にはこだわらない」「将来ふつうの生活に困らないくらいの学力があればいい」と回答した割合が、98年からそれぞれ10 ポイント以上減り、「できるだけいい大学に入れるよう、成績を上げてほしい」が増えている。進学に必要な学力を重視する傾向が全体的に強まっていることがわかる。

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 では「どうして子どもは勉強しないといけないの?」と子どもに聞かれたら、保護者はどのように答えるのか。自由記述式で得た回答を分類したのが図4だ。子どもの将来を考えての回答が上位にきている一方、3位に「今は勉強すべきときだから」がきている。
 学力重視の傾向が強まる中、家庭における教育費の全体平均に大きな変化は見られない(02年19,746円↓07年19,948円)。しかし、学校での成績別に見ていくと、成績上位層の家庭では増えているのに対し、成績下位層の家庭では減っていることがわかった(図5)。社会現象として富裕層と低所得者層の「経済格差」の拡大が懸念されているが、教育の面でも「格差」のあることがデータによって示された格好だ。生徒の家庭的背景が多様になり、先生方も対応が難しくなっていることが推察される。成績下位層の生徒に対しては、家庭の背景を考慮しつつ指導していくことが重要だといえる。


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