教育活動において重要な役割を果たす学校行事。 生徒の気質や友だちとの付き合い方の変化を受けて、改めてその役割が期待されている。 また、学校によっては授業時数確保のために行事を精選するなど、 行事の在り方にも変化が見られる。 学校行事を更に効果的に生かすために、どのような工夫や取り組みができるのだろうか。 今号では、学校行事を通した生徒指導について、 中学校現場の先生方の座談会と学校事例から考えていきたい。
小誌が2008年6~7月に実施した読者アンケートによると、生徒が学校行事を通じて身に付けられる力のトップ3は、1位が「人間関係を築く力」、2位が「物事を計画的に行う力」、3位が「物事をやり遂げる粘り強さ」だった(図1)。いずれも8割前後の教師が「身に付く」と回答している。「1人の力だけでは達成できない目標に向かって頑張る」という、多くの学校行事に共通する特徴が、それらの能力を育てていると考えているようだ。
図2は、勤務校での今後の学校行事に対する考えを尋ねた結果だ。「もっと充実させる」は約3分の1、「もっと減らす」は1割強、残りの約半数が「現状維持」と回答している。授業時数確保のためにさまざまな工夫が考えられている中、今回の結果からは、学校行事を削減する傾向は見受けられなかった。 次ページからは、行事の意義や指導の考え方などについて、現場の先生方による座談会を通して更に考えていきたい。